東京芸術大学百年史 東京美術学校篇
東京藝術大学美術学部は創立100年となる昭和56年より大学史の編纂事業を進め、これまでに『東京美術学校篇』3巻および別冊『上野直昭日記』1冊、『美術学部篇』1巻、『大学篇』1巻を刊行してきた。このページでは、これらの大学史刊行物のうち、最初に刊行された『東京美術学校篇』全3巻のPDF複写を公開する。美術学部の前身である東京美術学校の設立(明治20年)前夜から大学発足後の廃校(昭和27年)までを収録している。ここには、単に一大学の沿革にとどまらず、日本の近代美術史および芸術教育に関する貴重な情報がふくまれている。
*このアーカイヴズは下記の全ページをインターネット公開するものである。
第1巻(財団法人芸術研究振興財団/東京芸術大学百年史刊行委員会 編、ぎょうせい、昭和62年)
第2巻(財団法人芸術研究振興財団/東京芸術大学百年史刊行委員会 編、ぎょうせい、平成4年)
第3巻(財団法人芸術研究振興財団/東京芸術大学百年史刊行委員会 編、ぎょうせい、平成9年)
*公開にあたり財団法人芸術研究振興財団に許諾をいただいた。記して感謝申し上げます。
第一巻 (PDFリンク) | ページ |
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中表紙 | |
口絵 | |
ごあいさつ | i |
東京芸術大学百年史刊行にあたって | ii |
奥付 | iv |
凡例 | vi |
目次 | vii |
はじめに | 1 |
第一章 東京美術学校創立前史 | 3 |
第一節 明治前半期の美術及び美術教育 明治維新後の伝統美術の衰退 | 5 |
明治初期の洋風美術と図画教室 | 8 |
明治初期の美術行政 | 19 |
内国勧業博覧会の美術 | 20 |
龍池会 | 22 |
フェノロサと『美術真説』 | 24 |
内国絵画共進会 | 28 |
東洋絵画会 | 29 |
鑑画会 | 29 |
狩野芳崖 | 30 |
第二節 美術学校設立運動の背景 美術局設立運動 | 32 |
東京美術学校回顧談(今泉雄作) | 41 |
岡倉覚三 | 47 |
明治十七年の古社寺調査 | 48 |
第三節 図画調査会 図画調査会の概要 | 51 |
図画調査報告 | 53 |
第四節 図画取調掛 図画取調掛設置 | 61 |
図画取調掛と美術学校設立準備 | 64 |
第二回鑑画会大会 | 68 |
明治十九年の古社寺調査 | 71 |
加納鉄哉・竹内久一 | 73 |
第五節 欧米美術視察 フェノロサ・岡倉覚三欧米派遣 | 75 |
岡倉覚三の「欧州視察日誌」 | 78 |
鑑画会における帰国報告講演 | 82 |
視察中の購入図書・写真 | 91 |
フェノロサ・岡倉覚三不在中の図画取調掛 | 94 |
妙義山地取 | 94 |
悲母観音 | 95 |
前田家蔵能衣裳模写および行幸、行啓 | 99 |
第二章 東京美術学校設置より開校に至るまで | 101 |
第一節 東京美術学校設置 | 103 |
第二節 学校方針の決定に至るまで | 104 |
第三節 制度・組織の編成 商議委員規定 | 107 |
職員の人選 | 107 |
明治二十一年末現員表 | 109 |
芳崖の死去 | 109 |
第四節 古社寺宝物調査への参加 調査における東京美術学校職員 | 110 |
臨時全国宝物戸調局 | 111 |
第五節 規則の制定 | 111 |
東京美術学校規則制定 | 112 |
第六節 用地および校舎 東京教育博物館 | 119 |
上野選定 | 120 |
第七節 生徒募集、開校 募集方法 | 124 |
第一回入学者選抜 学科試験答案 | 125 |
実技試験 | 127 |
鉛筆画と毛筆画 | 128 |
地方特選 | 129 |
第一回入学生一覧 | 130 |
開校 | 131 |
第三章 草創期 明治22年〜同26年 | |
第一節 明治22年 東京美術学校第一年報 | 135 |
解説 別冊規則 | 138 |
制服、制帽 | 138 |
学術研究 | 141 |
第二回生徒募集 | 141 |
職員等 | 143 |
臨時試験 | 145 |
関連事項①草創期の逸話 | 146 |
関連事項②帝国博物館設置 | 152 |
関連事項③『国華』創刊 | 153 |
第二節 明治23年 東京美術学校第二年報 | 154 |
解説 規則改正 | 167 |
学科過程 | 167 |
卒業制作 | 168 |
入学在学及退学規定 | 168 |
研究科規定 | 169 |
フェノロサ解雇 | 169 |
専修科授業開始 | 169 |
職員辞令関係事項補遺 | 170 |
教諭を教授と改称 | 172 |
臨時試験 | 173 |
関連事項①「説明 東京美術学校」 | 174 |
関連事項②楠公銅像・依嘱製作事業の開始 | 177 |
関連事項③帝博の模写、模刻事業と本校 | 181 |
関連事項④職員定員の制定 | 188 |
関連事項⑤「生徒心得」の改正 | 188 |
関連事項⑥明治23、24年当時の本校職員及び生徒 | 189 |
関連事項⑦帝室技芸員 | 192 |
関連事項⑧内国勧業博覧会 | 192 |
関連事項⑨隅田川盃流しの宴 | 193 |
第三節 明治24年 東京美術学校第三年報 | 194 |
解説 校長代理 | 199 |
故小川松民 | 199 |
後藤貞行出張、依嘱制作 | 199 |
遠足 | 199 |
校友会発足 | 200 |
松方伯爵銅像 | 201 |
関連事項①官制 | 202 |
関連事項②両大臣の楠公像視察 | 202 |
関連事項③日本青年絵画協会の発足 | 202 |
関連事項④美術学校予備校(美術講習所、共立美術学院) | 202 |
第四節 明治25年 東京美術学校第四年報 | 205 |
解説 規則改正 | 218 |
鋳金科設置 | 218 |
閣龍世界(コロンブス)博覧会 | 218 |
本邦家屋(「鳳凰殿」) | 219 |
校友会建物 | 222 |
西郷隆盛銅像 | 222 |
日蓮聖人銅像雛形 | 224 |
関連事項①25年度経費と校長譴責 | 224 |
関連事項②ババリヤ万国美術展覧会 | 225 |
第五節 明治26年 東京美術学校第五年報 | 226 |
解説 楠公銅像木型 | 231 |
第一回卒業式 | 232 |
岡倉校長の清国出張 | 232 |
岡崎雪声の渡米 | 232 |
第四章 発展期 明治27年〜同31年 | 235 |
第一節 明治27年 東京美術学校第六年報 | 237 |
解説 生徒成績物展覧会・校友会臨時大会 | 243 |
西洋室内装飾木組及諸張付彩画 | 247 |
山名貫義の起用 | 247 |
関連事項①「28年度本校経費之義二付上申」 | 248 |
関連事項②分期教室制 | 249 |
関連事項③「美術教育施設二付意見」と岡倉覚三の本校拡張計画 | 251 |
関連事項④京都高等美術学校および美術院奈良分院設置計画 | 268 |
関連事項⑤明治27年10月3日、故狩野芳崖、故小川松民両先生追善会挙行 | 276 |
関連事項⑥『錦巷雑綴』創刊 | 278 |
関連事項⑦明治27年補遺 | 284 |
第二節 明治28年 東京美術学校第七年報 | 286 |
解説 鍛金科設置 | 292 |
第四回内国勧業博覧会への出品 | 294 |
課外講義・近世美術展覧会等 | 295 |
生徒募集 | 297 |
生徒成績物買上げ | 298 |
岡倉天心出張 | 300 |
関連事項①意匠研究会(遂初会) | 300 |
関連事項②懸賞仏画募集 | 305 |
関連事項③校友会記事 | 306 |
第三節 明治29年 東京美術学校第八年報 | 309 |
解説 規則改正 | 312 |
図案科設置 | 317 |
西洋画設置 | 319 |
課外講義・近世美術展覧会 | 333 |
承和楽置物 | 334 |
修学旅行 9月11日 | 334 |
関連事項①彫金科の意見書 | 334 |
関連事項②日本絵画協会創立と本校日本画教授陣の刷新強化 | 336 |
関連事項③卒業生会結成 | 338 |
第四節 明治30年 東京美術学校第九年報 | 340 |
解説 中尊寺金色堂内装飾髹漆修繕 | 342 |
善那(ジェンナー)銅像 | 343 |
和田英作の依願免官 | 343 |
長沼守敬の解嘱 | 343 |
福地復一の依願免官 | 344 |
岡田三郎助の留学 | 344 |
大村西崖辞職 | 344 |
就学旅行 | 344 |
関連事項①進級、転科に関する内規 | 345 |
関連事項②「美術教育施設二付意見」 | 345 |
関連事項③制服改正 | 351 |
関連事項④日本絵画協会第二回、第三回共進会 | 351 |
関連事項⑤彫刻教育改革運動および青年彫塑会結成 | 352 |
第五節 明治31年 東京美術学校第十年報 | 358 |
解説 概況(教育改革) | 365 |
制服改正 | 369 |
学術実地指導 | 370 |
美術学校騒動と生徒 | 370 |
関連事項①学校参観記 | 370 |
関連事項②加納夏雄死去 | 372 |
関連事項③依嘱製作に関する嘆願書草稿 | 372 |
関連事項④美術学校騒動 | 373 |
関連事項⑤美術学校騒動関係資料 | 379 |
関連事項⑥精藝会 | 395 |
関連事項⑦日本絵画協会第四回、第五回共進会 | 398 |
第五章 授業内容 | 399 |
(図版) 臨画手本(木版画) | 401 |
(図版) 「臨画」および「臨模」授業成績(紙本墨画) | 402 |
(図版) 普通科「写生」 石膏レリーフ写生(紙本墨画) | 404 |
(図版) 普通科「写生」授業成績(紙本墨画、一部淡彩) | 405 |
(図版) 予備の課程「写生」授業成績(紙本墨画、一部淡彩) | 406 |
(図版) 「写生」授業成績(紙本墨画、一部淡彩) | 407 |
(図版) 「造型」授業成績 木彫手板 | 409 |
(図版) 石膏手板 | 411 |
(図版) 木彫手板(手本および成績品) | 412 |
(図版) 彫金手板(手本) | 414 |
(図版) 鍛金手板(手本) | 415 |
(図版) 鋳金手板(手本) | 415 |
(図版) 蒔絵手板(手本) | 416 |
(図版) 「図案」授業成績 | 417 |
(図版) 美術取調委員の購入写真 | 419 |
(図版) 講義関係資料 | 420 |
第一節 基礎教育−特にフェノロサ在職中の教育について | 425 |
第二節 専門教育(実習授業) 絵画科 | 433 |
彫刻科 | 439 |
彫金科 | 447 |
鋳金科 | 450 |
鍛金科 | 452 |
漆工科 | 452 |
図案科 | 460 |
第三節 学科授業 フェノロサの「美学及び美術史」講義 | 464 |
岡倉覚三の「美学及び美術史」講義 | 466 |
1美学講義 | 467 |
2日本美術史講義 | 468 |
3西洋美術史講義 | 469 |
福地復一の東洋美術史講義 | 476 |
森鷗外、後藤貞行の「美術解剖」講義 | 477 |
鷗外の「美術解剖」講義 | 478 |
後藤貞行の「美術解剖」講義 | 480 |
黒川真頼の「歴史」講義 | 492 |
今泉雄作の「歴史及び古物楽」講義 | 494 |
川崎千虎の「考古学」講義 | 494 |
関保之助の「考古学」講義 | 495 |
加納夏雄、黒川真頼の「金工史」講義 | 495 |
伊東忠太の「建築装飾術」講義 | 496 |
黒川真頼、長尾雨山の「和漢文」講義 | 497 |
今泉雄作の「図案法」講義 | 497 |
「理科及び数学」講義 | 498 |
「幾何画法」・「透視画法」・「用器画法」・「遠近法」講義 | 499 |
「応用化学」講義 | 500 |
「授業法」(教育学)講義 | 500 |
附表 | 503 |